A-1 東一番丁通り | I.Y. さん
<和菓子配達用の手押し車>
昭和10年頃の記憶です。 写真
49-02 は、一番丁通りの大町角より北にあった繁田園ですが、写真左端におかれているのは、左隣の店「玉澤総本店」(和菓子)の配達用の(人がひく)車です。(胴体に「玉澤」という字が書かれていた)
玉澤総本店には和菓子の見本箱をもって得意先をまわり注文をとる小僧さんが何人もいた。 見本箱は黒い漆塗りで中が仕切られ、そこに生菓子の見本を1つづつ入れる。 この車は、その際や配達時に使われた。 菓子は、夏は葛饅頭、秋は栗饅頭や栗蒸羊羹など。
<父が関東で菓子修行>
私の父が玉沢総本店の菓子職人で、兄も一時期働いていて、この車を曳いたことがある。 父は、「あんこやのヤスさん」と呼ばれ、関東では有名だった。東京で菓子修行をし、有名な菓子屋を渡り歩いた。日本橋堀留に「寿屋七」(すやしち・永田七五郎)という和菓子職人を専門にあっせんする人がいてその紹介で、仙台の玉澤総本店の菓子職人となった。