写真データベース作成のねらい

~なぜ、読み取れる情報をすべて文字化するのか~

写真史料集 作成のねらい

このアルバムは観賞用写真ではなく、「歴史史料」つまり、仙台の近現代(時代)を知る(伝える)ビジュアル史料です。

1枚1枚の写真から読みだせる情報できるだけ多く書き取り、撮影された時代の特徴を文字化しておくことで、写真がもつ史料価値を維持固定し後世に伝えることを目的にしています。

なぜ、読み取れる情報をすべて文字化するのか

世の中には、研究書や手記など文字で記録された文献史料は数多くあります。 一方、写真や動画、絵図、みとり図などのビジュアル資料には、文字からだけでは伝わりにくい、映像だからこそわかる良さがある筈です。ところが写真などは、その時代に生きた世代が世を去るにつれ中身が分かりづらくなります。

1799年に発見されたロゼッタストーンは、そこにかかれた古代エジプト文字が1822年に解読されてはじめて史料価値が生まれました。写真資料もそこにこめられた情報が読み取れなくなる前に、出来るだけ情報を読み出して文字化しておけば、史料価値が保たれます。そのために、詳しいキャプションをつくり、写真と合わせて残しておく必要があります。

そこで、キャプションをつくるに際しては

(1)内容解読(よみとき)作業

写真から読み取れる情報はすべて書きだす。(ルーペでしか読みとれない細かい部分や、写っている看板などの文字はすべて)

(2)撮影年代の判定(推定)

撮影者や写真提供者でも正確な撮影年がわからない場合が多い。写真から読み取れる情報や、写る文字、他の写真との比較、関連する文献資料も調べて撮影年代を絞り込み、撮影年代判定(推定)理由も記録する。