＜足かけ9年間、戦地を転々としました＞
　 　「私はあれから、北支を転々とし、北京、天津、張家口、大同、太原、包頭、張北、二連方面を廻り、内地に帰って来て、留守隊の解散と同時に現役師団の工兵連隊に編入され(応召将校で只二人丈)、第二師団の動員下令によって南方へ出征し、ジャワからガダルカナル、比島を転々とし、比島から昭和十八年の暮に帰ってくるとすぐ千島へ行き、二十年の六月北海道へ渡り、八月の終戦迎え九月十四日かえって参りました。　 　足かけ九年間内外地を転々と致して参りましたが、おかげ様で負傷ひとつしないで無事帰って来たのもほんとうにありがたい事と思って居ります。(後略)」